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養和会のホームページへようこそ!

東京より南へ約300km、南国の島・八丈島にある社会福祉法人養和会のホームページです。
施設の紹介に加え、日々の行事や生活、介護に関する情報について掲載しています。

 

「平成30年度経営にあたって」(理事会)

はじめに
 養和会の50周年記念行事は、本年2月10日に滞りなく実施できました。皆様方に深く感謝申し上げます。これから厳しい時代を迎えますが働く皆さんとともに頑張ってまいります。
 本年度は、平成30年度介護報酬改定と診療報酬との同時改定年になりました。また、地域共生社会を実現する「地域包括ケアシステム強化法」が本年4月に施行されます。さらに、自治体の第7期介護保険事業計画の改定期でもあります。
 法人においては昨年4月、改正社会福祉法が施行され、社会福祉法人制度改革がスタートいたしました。ガバナンスの強化、事業経営の透明性、地域における公益的な取り組みなどが求められました。新たな仕組みをしっかりと受け止めながら、法人経営を取り巻く環境変化に対応してまいります。
 そのために、財務管理や人事・労務管理で、全体をリードする本部機能改革に取り組んでまいります。
 経営を直撃する制度リスクについては、しっかりとした制度観を持ち対処しなければなりません。経営協、老施協、東社協など上部団体との関係強化、そして行政情報を適切に受け止めながら経営にあたります。
 私は経営責任者として改革を確実に実行する経営管理体制を構築し、法人経営の質の向上に努めてまいります。

人口減少社会への対応
 日本の人口の中で最も多い団塊の世代がすべて75歳以上になる「2025年問題」は7年後に迫っています。
 その時の八丈町の人口は6567人、65歳以上2775人、そのうち75歳以上は1689人で、高齢化率は42.3%と推計されております。
 それから15年後の2040年には、人口が4862人に減り、65歳以上は2208人で、高齢化率は45.4%、現役二人で高齢者一人を支える未来の姿です。そして日本全体でも、少子化が進み、社会保障制度を支える現役世代は減る一方になります。社会保障制度の危機が迫っています。
 私どもの経営には、介護保険制度の見直し、補助金や社会福祉法人課税など制度リスクが襲ってきます。さらに、生産年齢人口の減少による人材不足というとても困難な課題が待ち受けます。避けられない人口減少社会において、今を生きる私たちには、様々なリスクに対応し持続可能な経営体質を創り上げる責任があります。
 このような認識の下で、直面する課題は何といっても人手不足が深刻化することです。養和会は、職員の誰もが充実感を持ちながら働き、責任を果たすとともに、子育、家庭、自己啓発がしっかりとできるように、職場環境の改善に取り組んできました。さらなる処遇改善や福利厚生の向上を図りながら、養和会で働く職員が、島のハンデを乗り越え、都市に無い良さを活用して多様な生き方ができるよう、魅力ある職場づくりを進めます。

介護報酬改定について申し上げます
 この度の改定は、介護報酬の3年に1度の見直し、診療報酬の2年に1度の見直しが重なる6年に1度の同時改定であります。少子・高齢化により医療費や介護費が急増することから、マイナス改定が予想されておりましたが、結果として、介護報酬はプラス0.54%引き上げられることになりました。
 平成30年度介護報酬改定の概要は次の4つの柱です。
①地域包括ケアシステムの推進
②自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現
③多様な人材の確保と生産性の向上
④介護サービスの適正化・重点化を通じた制度の安定性・持続可能性の確保
 団塊の世代が75歳以上になる2025年に向けて、質が高く効率的な介護の提供体制の整備を推進するというものです。
 養和会では、役員の皆様のご理解のもとに、人材の確保と育成を経営の柱として取り組んでおります。キャリアアップの仕組みを作り、資格取得、研修、自己研鑽などのスキルアップを図り、処遇の面では、正規職員への転換制度導入、障害者雇用、高齢者雇用、休暇取得率の向上などに努めてまいりました。
 今年度は、処遇改善加算により介護職だけに支給している手当てを見直し、処遇改善の収入を柔軟に活用してまいります。有期契約職員については、就業規則、賃金、諸手当の見直しに取り組みます。このようにして、職員処遇のあるべき姿を深化させたいと考えております。
 私は、人材の確保と育成・定着を「コスト」ではなく「明日への投資」と位置付けており、この度の報酬改定の方向と一致すると考えております。

医療・看取りについて
 八丈島における人生の最期を迎える場所は圧倒的に病院でありました。施設利用者もそうでしたが、平成24年度に特別養護老人ホームが看取り施設の認可を受け、その後、施設での看取り件数は増加し、昨年度は9割を超えています。利用者の急変に救急車を呼ぶことなく、介護職員、看護師、ケアマネ等のチームワークで看取りケアを充実させてきました。利用者や家族等への説明と同意をしっかりと位置づけ、看取り介護の質向上と加算収入の適正取得に取り組みます。

財務管理について
 養和会では、毎会計年度ごとに資金収支計算書、事業活動計算書、貸借対照表の財務3表を作成し、事業全体の運営状況を、決算として役員の皆様にお示しするとともに公表しております。一方、日常においては収支の状況、経営成績、財政状況を適正に把握するため、 (株)福祉会計サービス(宮内会計)に指導助言、実務を依頼し適切な経理事務に努めております。
 しかし、法人本部職員が財務管理の基本を熟知しているとは言い難い面もあります。したがって本部機能の強化を経営方針としているわけです。
 会計の基本的な仕組み、読み方、書き方、数値のポイントの見方などの課題に取り組みます。そして、目まぐるしく変化する法制度の理解も重要です。
 本年度から、養護老人ホームの廃止により、財務状況が変わります。平成20年ごろから続いてきた収支差の悪化に歯止めをかけねばなりません。
 経営上の不良採算部門に区切りを付け、介護に特化した新たなニーズに対応してまいります。
 本年度は、養護廃止の財務処理は会計区分を一括して法人本部に集約して処理します。

特別養護老人ホームの建設について
 養和会では、施設の積立計画(平成25年度)に基づき、28年度末で8億6千9百万円を積み立てました。建設においては、綿密な計画、確実な予算が必要です。
 また、事前の徹底した調査をしなければなりません。法・制度の動向や先進事例など研究して取り組みたいと考えております。

 平成30年度事業計画・予算については議案でご審議願います。今年度も、人事管理、財務管理に課題が山積しますが、財務基盤の安定化に努めてまいります。

養護老人ホーム廃止について
 廃止については、都の指導を受けながら、平成30年1月11日に東京都へ申請をいたしました。都とやり取りをする中で、昭和50年に移転した時の、建物に関する国庫補助金、都補助金の返還手続きに課題が出てまいりました。
 補助金は建設から50年経過しない場合に返還義務が生じます。施設解体を2025年度以降と引き延ばし、その間、転用手続きにより倉庫として使用することといたします。こうした状況の下で施設の用途転用処理手続きに合わせ、養護老人ホームの廃止手続きをいたします。
 定款の変更手続きが必要になりますから、6月の定例評議員会に定款変更議案を提出できればと考えています。職員配置は特養への所属替えで対処いたしました。

地域における公益的な取り組みについて
 昨年の定款変更において、定款3条2項に地域社会に貢献する取り組みを明記しました。平成29年度は、介護職員初任者研修費用の補助を実施、八高生が受講しております。また、介護講演会や高齢者向けの料理教室も実施いたしました。本件は法に基づく所轄庁への報告事項でもあります。今年度も既に実施している事業を検証しつつ、創意工夫して地域貢献に力を入れてまいります。

全面禁煙施設への取り組みについて
 敷地内全面禁煙については、平成31年9月1日からといたしました。職員の健康増進を図りつつ、禁煙施設として運営してまいります。したがって、重点目標として、職員には禁煙の推進を進めます。当然採用に当たって喫煙者は採用いたしません。施設利用も喫煙者はご遠慮願います。喫煙者にとっては厳しく感じられるかもしれませんが、養和会は「たばこの煙」はノーという宣言です。

むすびに
 昨年暮れから、公益財団法人日本相撲協会のガバナンスが話題になりました。
社会福祉法人における評議員会の必置義務と理事等へのけん制機能は、公益財団法人と同等であり、公益性を担保するための柱です。評議員会は諮問機関から議決機関になりました。6月の定時評議員会は決算審議になります。理事会は執行機関としての義務と権限、責任を確実に履行し、緊張感をもって臨まなければなりません。
 近年の、テクノロジーの進歩はどこまで行くのでしょう。私のような知識のない者は、本当に人間のコントロールは大丈夫なのかと疑問を抱きます。
 しかし、国の経済政策パッケージにおける生産性向上やこの度の報酬改定ではIT(情報技術)AI(人工知能)などの活用が掲げられています。
 給与計算や人事労務などの管理、現場における見守りや入浴などのサービス向上や効率化に欠かせない存在になりつつます。先進的取り組みの法人視察や研修・検証など、将来を見据えた対応を取りたいと考えております。
 今年1月12日の朝日新聞ニュースで、「特養老人ホームの「ベット買い」優先入所枠を補助金を支払って確保」が報道されました。養和会の特養ホームは、八丈町、青ヶ島村、小笠原村の補助金を得て建設いたしました。厚労省がどのような対応をするのか、注視して参ります。

地域包括支援センターについて
 地域共生社会を実現する「地域包括ケアシステム強化法」が本年4月に施行されます。八丈町第7期介護保険事業計画では、地域包括支援センターの養和会への委託が削除されております。地域包括ケアシステムの強化を、公的機関である町が直接実施することは理想の形であり、歓迎すべきことと考えます。住民や関係者へしっかりした説明がなされるものと期待しております。
 私たちの国には、人口減少・超高齢化という難問が迫っています。私は何度も八丈島の人口問題を取り上げてきましたが、どう対処すればよいのか、ただただ嘆くばかりです。誰もが人口構造の変化には気付いています。これから先社会構造はどう変わるのか、地域はどう変化するのか、何が起きるのか、今こそ、島に住むみんなが共有すべきではないでしょうか。

平成30年3月22日
理事長 沖山芳清